投資信託が安全みたいな流れはなぜ?
■今、投資信託が流行っているの?
最近、「私は経済や金融のことはよく分からないので、投資信託を選びました!」といったような記事をよく見かけるのですが、なぜ?と思ってしまいます。どこかの証券会社(あるいは証券業界全体)がブログや株サイトで、ものすごいプロモーションをやってるのかしら?
最近は不景気なせいか、株・投資信託に手を出したくなるような「初めての資産運用」みたいな本が、書店の店頭にたくさん並んでいます。本を買わせるため書いたのか、それともどっかの証券会社(証券業界)が報酬を払って書かせたのか分かりませんが、けっこう、あおっている本が多いように思います。
資産運用初心者の人たちはああいう本を信じてしまうのかな?と思うと、ちょっと怖いです。もちろん良書もありますが、投資に関して何も分からないので本を買うわけでしょうから、どの本が良書なのかも判断がつかないのではないかとも思います。
■投資信託は取引を丸投げするということ
投資信託というのは、自分で資産運用する自信や時間のない人が、自分のお金をまるっと投資会社に渡して、「私のかわりに、うまいこと資産運用やっといて~。」と丸投げすることです。私も、ちょっとお試しで投資信託にお金を放り込んだことがあるのですが、ま~、もうからない。
そして、投資会社は長期的な運用を視野に入れて動くので、すぐにぱっとお金が増えるということはないですね。ぱっと値段が上がる(配当が増える)こともありますが、ということは、世界(または日本)の景気が一気にぱっと良くなっただけでしょうから、自分で株式運用してたら、もっと増えていたことでしょう。
■投資信託で資産を半分以下に
実は私、投資信託で資産を半分以下に減らした個人、団体を知ってます。
・個人の場合
元手がないけど資産運用をしてみたいから投資信託を始めたという人
(積み立て型の投資信託に手を出す人が多い。特に主婦層が多い気が…)
・法人の場合
法人は組織が大きくなればなるほど、地元銀行と優良な関係(コネ)を作るために、毎月毎月、数十万から数百万の投資信託を地元銀行に投入するものなんです。でも、これは企業側としてみれば「投資」というようりも、地元銀行に借金するため(ようは担保みたいなもの)とか、コネを作るためとか、まあ「経費」に近い存在。だから、これから先も明らかに損をすると分かっていても、撤退しないんですよね。
「いくら、そういう仕組みだって言っても、投資信託で預けてるお金が半分以下になってるのに、預け続けるなんて、おかしいんじゃないの?」と、ぼやいている、とある会社の経理担当者を見たことがあります。でも、色んなしがらみがあって投資信託を買い続けなきゃいけないもんなんです。
公的機関や企業なら、大暴落した株価が80年後に元手の値段に戻って、それから上がってくれてもいいわけですが、個人の場合は20歳で暴落した株価が80年後に値上がりしたんじゃ運のいい人以外は死んでいますよね?
■リスクのない投資はない
冗談ではなく昭和のバブルの一番株価の高いときに、株や投資信託を買い付けた人は本当にこういう状態になった人も多かったのです。アベノミクスが期待されていた時期は一時的に株価が跳ねあがりました。ですから、アベノミクス前の「失われた20年」と呼ばれている時期に、株や投資信託を買った人は必ずもうかっています。その時に、浮かれてブログで記事にした人が多かったのか、それを見て、その気になった人が多かったのかは謎ですが…
ですが、売るタイミングを逃してアベノミクスバブルがはじけたら一巻の終わりではないかと、少し心配になります。バブルがはじけた時も、リーマンショックが起こった時も、のんびりしてた人は、ものすごい含み損を出しました。
一旦、大暴落で減らしてしまった資産を徐々に損失を減らして、利益を増やすことも不可能ではありませんが、けっこうな知識とテクニックが必要になってくると思います。損益を出すリスクの少なそうな投資先はあっても、損をするリスクの全くない投資先はありません。投資をしている人には、利益を出した時は人に話すけれど、損をした時は人に話さないという特徴があります。
投資信託で人に丸投げするくらいなら、自分でやる、自分でできないなら、資産運用はやらない、というのが私の方針です。だって、投資会社にとっては所詮、他人のお金。投資に失敗しても、お金は返ってきません。だったら、まだ自分で失敗したほうが納得し、あきらめられると思ってしまうわけです。
バブルがはじけた時、サブプライムローン・リーマンショックの時にしみじみとそう思ってしまったのです。(私はリーマンショック前に、資産を金融市場から全て撤退させていたので、一円も損はしませんでしたが。それは本当に運が良くてそうなっただけです。)
■投資、資産運用を否定しているわけではありません
投資信託も結局は、運用がうまくいかなくて損失を出してしまうこともあるので、元本(最初に出したお金)が保証されるわけではないのです。いつ始めて、いつ解約するかで、損をするか、得をするか決まるという点では、自分で株式運用しているのと変わりはないということを、よく理解してから、投資信託を選ぶかどうかを決めることが大切です。
私自身も、少額ではありますが投資をしているので、「投資」自体を否定する気はありません。「投資」自体は経済を活性化させますし、利益を出すことができれば生活がうるおうので、本当にちゃんとお勉強をした後に、リスクを覚悟したうえで始めることをおすすめします。
2014年執筆
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