節約

除菌ブームの危険性と衛生仮説

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1012年08月07日執筆

 近年、日本ではやや神経質な程に、雑菌を恐れる傾向が見られるます。特に1990年以降では、従来から見られた潔癖症とは全く異なり、【強迫神経症】(または恐怖症)によって、不潔である事に恐怖心さえ抱く人が増える傾向にあると言わています。これらの人たちは、電車のつり革にさわれなかったり、公共の機械(自動販売機など)のボタンを押すことができなかったりします。重度の人になると、外出もままならなくなる程に恐怖心を抱く場合があります。

 元々人間には人間社会に存在する諸々の細菌や菌類に対して(免疫によって)一定の抵抗力がありますが、極端に雑菌を恐れる人は、日常生活においても支障を来たすケースも見られます。他方で、文具メーカーや日用品メーカーは、殺菌・抗菌グッズを多数販売し、これらの社会不安をあおる傾向すら見られます。広告などにおいて、細菌の顕微鏡写真をテレビの画面いっぱいに映し出した上で自社製品の殺菌力をうたう物もみられます。これらの広告に嫌悪感を抱く人も少なからず存在します。1990年代後半から日本国内の抗菌グッズ市場は300億円市場にまで成長しています。

 O-157に代表される病原性大腸菌による集団食中毒事件のあたりから、除菌が一般市民に根付き、その一般市民の中には、抗菌グッズが無ければ(根拠に欠ける)強い不安を覚える人も出てきています。同種市場の拡大を、社会病理と見なす人もいます。


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 これらの抗菌グッズでは、銀やその他の物質を合成樹脂に混ぜて用いることにより、製品表面で細菌や菌類が繁殖できないようにしていますが、それでさえ一定の環境下で利用している場合に、その機能が保たれているため、その利用方法が正しくない場合には、期待される機能が発揮されない場合も見られます。また製品によってこの機能が充分でない・または消費者が過信した場合に、より好ましくない事態が発生するケースも見られ、国民生活センター等では注意を呼び掛けています。

 なお、衛生的過ぎる環境下では、感染症にかかる機会やさまざまな雑菌と接触する機会が減っていると見られ、それにより成長期において正常な免疫を獲得できないケースもあると考えられています。【花粉症】をはじめとしたアレルギー疾患は機能異常を起こした免疫が、本来はさほど危険ではない物質に対して過剰に反応する疾患ですが、それらが近年になって著しく増加した要因に、この衛生的過ぎる環境が影響していると考える説(衛生仮説)もあります。

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雑菌の定義

 雑菌というのは、特定の微生物を話の対象にしたときに、それ以外の菌類、細菌類、あるいはそれに類する微生物を総称して言う呼称である。特に、対象の微生物を扱う場合に邪魔になるものを指して言うことが多い。したがって、何を扱うかによってその対象は異なる。ある細菌を扱う細菌学者にとっては、それ以外の細菌と菌類はすべて雑菌であるし、発酵を扱う業者にとっては、発酵の過程で余計な反応を起こすような微生物がそれに当たる。病理学者にとっては、目指す病気の病原体を探すときに、その周りにいるそれ以外の細菌が雑菌である。一般の人にとっては、事実はともかく、微生物などいてほしくないと感じられれば、あらゆる微生物を雑菌と呼ぶかも知れない。この場合、黴菌という言葉の方が通りがよい。

出典:ウィキペディア (2012/8/7現在の記述より)

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書籍:アレルギーの9割は腸で治る! (だいわ文庫)